今日は、論作文試験の概要とその勉強法についてお話しします。
教員採用試験で論文試験を受験する予定の人は、ぜひ参考にしてみてください。
では、早速はじめていきましょう!
論作文試験の概要
なぜ論作文の試験があるのか?
教育の現場では、伝統的に「作文」によって人格形成を行ってきました。
また、「その人が書くものは、その人がどんな人であるかを示す」という言葉もあります。
論作文試験で目指されていることの一つは、受験者の「人間性」を見ることです。
これまで紹介してきた、一般・教職教養や専門教養試験などの筆記試験は知識・技能を問うものでしたが、この論作文試験では、「人間性」また、「教員としての資質」を見ようという意図があるようです。
なので、一方では筆記試験の要素を持ちながら、他方では面接試験のような性格も持ち併せているというわけです。
それにしても、この「論作文」という表現、普段聴き慣れない言葉ではないでしょうか。
高校や大学でも「小論文」とは言うけれど、「論作文」とは言いません。
僕は、この表記の仕方に論作文の性質が表れているように感じます。
論文×作文、つまり、何かを論じる形をとりながらも、作者の経験や思いを書くことが求められているのだと思います。
どんな問題が出るのか?
僕なりに頻出のテーマを分類するなら、以下の3パターンが存在します。
- 学習指導要領や教育時事など、制度や枠組みに関するテーマ
- 学習指導の方法や生徒指導の重要性など実践面に関するテーマ
- 理想の教師像など自分自身に関するテーマ
特に、今年は「共通テスト」スタートの年(2020年度)なので、それに関係したテーマで出題されるかもしれません。
いずれにせよ、上記の分野に対する学習と、深い洞察が求められます。
論作文試験の勉強法
ここからは、勉強の方針について説明していきます。
1、書くための知識、経験をインプット
どれだけ文章を書く技術があっても、書くネタがなければ書くことはできません。
みなさんも大学のレポートを書く時、まず情報を集めるところから始めたと思います。
先ほど挙げた3つのパターン
- 学習指導要領や教育時事など、制度や枠組みに関するテーマ
- 学習指導の方法や生徒指導の重要性など実践面に関するテーマ
- 理想の教師像など自分自身に関するテーマ
について、調べたり、本を読んだりして知識を増やしていくことが必要です。
偉人の名言やデータの引用も知らなければできません。
知識量も、論作文を通して見られていると想定して、準備をしていきましょう。
また、上記のテーマに関連して、自分が経験したことも書くための良い材料となります。
アルバイトやボランティア活動など、ネタとして使えそうな経験がないかどうかを振り返ってみましょう。
よく、「書いている途中で手がとまってしまう。」という方がいますが、それは書くための情報が足りないということが原因かもしれません。
教職教養などの筆記試験の勉強をしているときにも、単に語句を暗記するだけではなく、もう少し深く調べてみるなどすると、インプットの習慣がついてきます。
2、過去問の出題傾向を把握
過去問をざっと見て、1)字数、2)時間、3)頻出テーマなどを確認します。
過去問以外のテキストを用いて練習するときでも、過去問の字数と時間で行うようにしましょう。
字数と時間の感覚をつかむためです。
数をこなしていくうちに、だいたいこのくらいの情報を盛り込めば、600字なら600字に達する、ということが感覚的にわかってきます。
なので、できる限り字数は固定して練習していきましょう。
3、繰り返し練習する
始めは、特に時間を計らないで、納得できるまで書きましょう。
過去問だけでは問題が足りなくなる場合は、
・必出テーマで押さえる 教員採用試験のための論作文&面接対策(時事通信社)
などを利用しましょう。
このテキストのタイトルを見てもわかるように、論作文で問われるテーマは面接で聞かれる質問でもあります。
なので、論作文試験は面接試験にも直結しています。
一本書くだけでもなかなか大変ですが、頻出テーマはしっかり対策をしておきましょう。
4、書いたものはできる限り他の人に読んでもらう
もちろん自分でも見直しをして、推敲を重ねるのですが、客観的な視点ででき上がったものを見るのは難しいです。
特に、自分の文章のクセや論理の飛躍などは見つけにくいところです。
よく言われていることですが、やはり自分の書いた文章を他の人に見てもらうことも大切です。
同じ教員採用試験を目指す友人や、学校の先生などが望ましいですが、親やアルバイト先の仲間など、門外漢に見てもらうのもありです。
僕は、教員採用試験を目指す友人とお互いの論作文を読み合っていました。
他の人に読んで感想をもらうことで、自分の引っかかっていたことが解決するということもあるので、恥ずかしさを捨てて、ぜひ読んでいただきましょう^^
まとめ 論作文での深い洞察が面接につながる
今日のまとめです。
- 論作文では、人間性と教員としての資質が問われる
- テーマは面接で聞かれる質問と被っている
- インプットなくしてアウトプットなし。知識や経験を増やそう
相手を納得させる文章を書くためには、そのテーマに対してじっくりと向き合い、根拠を示しながら自分の主張を伝えなければなりません。
また、各内容の配列(順序)も重要です。
より良い文章を書こうと試行錯誤していく過程で、このテーマに対する自分の立場が定まってきます。
この段階を踏むことによって初めて、面接で質問された時、丸暗記したのではない自分の言葉で答えることが可能になります。
面接と論作文はつながっている、これをぜひ覚えておきましょう。