SNS、ゲーム、YouTube、
勉強しなきゃな〜とどこかで思っていても、
なぜかやめられない。
あるいは、
ダイエットをしようと決意しても
つい目の前のチョコレートを食べてしまう。
冷静に考えれば、
ちょっとゲームするのを我慢して先に勉強すればいいわけですし、
そして、その後でゲームをする方が気分もいいでしょう。
今、ジャンクフードを食べるのを我慢すれば、
将来的には明らかに健康に良いし、無駄な脂肪をつけなくてすむ
これらはみんな分かっていることなのですが、
なぜかそれを実行するのは難しい。
今日は
なぜ私たちが目の前の小さな欲望に負けてしまうのかについて
説明したいと思います。
「時間割引」という人間の傾向を知ろう
結論から言えば、
私たち人間には「時間割引」という傾向があり、
それによって将来の大きなメリットよりも目の前の欲望を優先させてしまうということです。
例えば、次のような状況を考えてみてください。
あなたは、
① 今すぐ1万円がもらえる
② 1年後に2万円がもらえる
という場合、どちらを選択しますか?
この話をした流れなので、なんだか②を選んだ方が良さそうだろうというのは
わかるかもしれませんが、笑
実は、多くの人は①の「今すぐ1万円もらえる」を選択するのです。
なぜそうなってしまうのでしょうか。
将来の価値は薄れやすい
そもそも、生物的な傾向として
将来の価値を低く見積りがちということがあります。
食糧不足などで、今日、明日を生きるのに必死であった時代において、
将来的な価値に目を向けることは難しいのです。
実際、明治時代になって日本でも学制が始まり、
義務教育を行なうようになったのですが、
はじめのうちは
国民は喜ぶどころか、学校へ行きたがらなかったそうです。
なぜか。
それは、子どもたちが学校へ行ってしまうと、
貴重な働き手がいなくなり生活していけない
という事情があったからです。
要するに、
私たちが今日、明日の生活をそこそこ安心して送れるのは、
つい最近になってからであり、
そもそも将来的な価値を見積もること自体に慣れていない
という性質が関係しているのです。
これに加えて、現代ではさらに「時間割引」を強めていく傾向が見られます。
それは、”今すぐ”という点です。
「今すぐ」の誘惑
現代は、高度情報化社会、大量消費社会と言われて久しいですが、
ますます「すぐに」すべてのものが手に入る時代になってきています。
お腹がすけば、コンビニに行けばすぐに何かを食べることができますし、
何かわからないことがあれば、インターネットですぐに答えを知ることができます。
大抵のものは、ネットショッピングで直接お店に行かなくても即座に購入できます。
最近では、会社なども比較的「すぐに」辞めることだってできてしまいます。
こうした「すぐに」にありふれた世界において
私たちはあることをするのが非常に難しくなっています。
それは
待つ
ということです。
何か結果が出るのを待つこと、
明日の朝ごはんまで待つこと、
分からないことを分からないという状態のままにしておくこと、
これらがかなり難しくなっています。
これはみなさんだけではありません。
私にも当てはまることです。
これらを考えると、
今すぐ得られる少しの喜び
と
少し遠い将来の大きな喜び
を比べたときに、
圧倒的に「今すぐ」の喜びの方が大きく感じてしまうという理由が分かるのではないでしょうか。
まずは自覚してみよう
では、この「時間割引」という傾向を知っていれば、
ただちにゲームやSNSをやめられるかといえば
残念ながらそうではありません。
そして、お気づきでしょうか。
それこそが、「すぐに」を求めているのだということに。。笑
まずは、「あ、これは時間割引にはまっているな」と気づくところから始めてみましょう。
そして、ハマってしまってもそこまで自分を責めないでください。
「いや〜、なかなか傾向に抗うのは大変だな〜笑」
とサラッと受け入れ、
次また挑戦してみましょう。
進歩のコツは、
「あ、今時間割引に飲まれてるな」という気づきを大切にすることです。
日常生活の中に、いかに「すぐ」を要求するものがあふれているかに気づくことができると思います。
「すぐに」では得られないものを手に入れよう
さまざまなものが「すぐに」手に入る社会ですが、
実は価値のある・重要なものほどすぐには手に入らなかったりします。
・勉強習慣
・友達との絆
・肉体美
・手作りの料理
これらは手間や時間をかけなければ手に入れることができません。
そして、時間をかけて得たものは幸福感が持続します。
反対に「すぐに」手に入れたものは、すぐに失われます。
今の社会だからこそ、じっくりと時間をかけて何かを得る。
長期的なメリットを見据えることが一層大切になっています。
そして、「時間割引」の傾向を乗り越えて、
長期的な価値に目を向けた人と「すぐに」を追い求めた人の差は
どんどんと広がっていくと思われます。
目の前の誘惑に負けそうになったときには、
ぜひ今日の「時間割引」のお話を思い出してみてください。