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古文単語の覚え方【保存版】

以前、古文が読めないのは、古文が「異世界ファンタジーアニメ」みたいなものだからだ、という話をしました。

それくらい、古文においては、古文常識を知っておくのが大切なのですが、それと同じくらいに大切なのが古文単語です。

しかし、古文単語が覚えられない、という悩みは多いです。あなたもそう感じているでしょうか。そこで今日は、古文単語の覚え方について書いていきたいと思います。

これまで、覚えられなかった人、必見です!

そもそも なぜ古文単語が覚えられないのか?

古文単語が覚えられない・・

僕が塾で教えていた時でもたびたび相談されましたし、学校の先生だった時もそうでした。

なぜ、古文単語が覚えられないのでしょうか。僕は、次のような理由があると思います。

 ◯古文単語が覚えられない理由

  1.  英単語を覚える方で時間を使ってしまう
  2.  ひとつの単語に意味がいくつもあって、覚えられない
  3.  似た言葉があって、ややこしいので覚えられない
  4.  単語と日本語の意味がつながらない

これらのうちのどれか一つでも当てはまるものがあれば、どうぞ続きを読んでみてください。それぞれの対策を説明していきます。

 1、英単語に精一杯で古文単語に手が回らない

対策:1日1語でもいいから古文単語を覚える習慣を作る

単語といえば、英単語の暗記がメインになってくるのは仕方ありません。英単語は何千語と覚えていかなければならないからです。

しかし、それを言い訳にしていては、いつまでたっても古文単語を覚えることができず、古文が読めるようにはなりません。

それこそ1日1語とかでもいいので、まずは古文単語を暗記する習慣をつけましょう。1日1語ずつ覚えていけば、1ヶ月で30語半年で、180語覚えることができます。

おすすめは英単語を覚える前に、サクッとやってしまうことです。後ほど紹介する覚え方と組み合わせて、無理のない範囲で始めていきましょう。

 2、ひとつの単語に意味がいくつもあって、覚えられない

対策:はじめは1語1意と割り切る

この悩み、非常に多いです。

古文て、覚えるべき単語の数自体は少ないんですが、その1つの単語に2つも3つも意味があります。これがややこしい。

たとえば、

・「こころもとなし」・・・1)待ち遠しい、2)気がかりだ、3)ぼんやりしている

・「わたる」・・・1)行く、来る、2)過ぎる、3)一面に〜する

うーん、むずかしい。

これを片っ端から全て覚えていくのは確かに大変です。

そこで、はじめは覚える意味をひとつに絞ります。

「こころもとなし」なら「待ち遠しい」、「わたる」なら「行く、来る」ととりあえず覚えてしまう。それ以外の意味については、授業や課題で出てきたら覚える、単語帳が2周目に入ったら覚える、でOKです。

効率悪いと思うかもしれませんが、一度に全部覚えようとして一つも覚えられない方がむしろ効率が悪くなってしまいます。

 3、似た言葉があってややこしいので、覚えられない

対策:単語帳に書き込む。例文で覚える。

これは英語にもあてはまる悩みでしょうか。

requireとacquire、contributeとdistributeとattributeとかややこしいですよね。

古文で言えば、「あたらし」と「あらたし」、「いぶせし」と「いぶかし」などがそうです。

特に「あたらし」は「惜しい」という意味になり、「あらたし」は「新しい」という意味になり、現代語の感覚とズレているので余計にややこしくなっています。

対策としては、シンプルですが、似ている単語を単語帳に書き込むことです。

どういうことかというと、例えば単語帳の「いぶかし」のページに「×いぶせし」と書いておきます。こうしておけば、単語帳を見返すたびに、「あ、そうだ。ややこしいやつあったな。」と思い出すことができます。

また、例文(フレーズ)を用いて覚えてしまうのもありです。「いぶせし」なら「いぶせきここち」、「いぶかし」なら「いぶかしきところ」といった感じ。例文ごと覚えてしまうことで、単語レベルではややこしくても例文を思い出せるので区別できる、というわけです。

 4、単語と日本語の意味がつながらない

対策:漢字を推測。語呂を利用。

これについては、あとで説明します。少しお待ちください。

 

さて、ここまでで覚えられない理由別に対策を考えてきました。

では、次に実践編です。実際にどのように単語を覚えていくのかをレクチャーしたいと思います。

古文単語の覚え方

単語を覚えるポイントは全部で4つ。

  1.  1週間でノルマを回せ
  2.  語源を理解せよ
  3.  同義語で攻めろ
  4.  とにかく覚えよ

順番に説明します。

 1、1週間でノルマを回せ

単語を覚えていく時、「1日〇〇語」ってノルマを設定して覚えていく方が多いと思いますが、このノルマの決め方は少々マズいです。

例えば1日5語ずつ覚えていくとして、計算上では1週間後には35語覚えていることになりますが、果たして7日目に1日目の単語を覚えているでしょうか。時間が空き過ぎてしまい、単語を忘れてしまうのです。

これは、前日の単語を次の日にもう一度やる、3日語にもう一度やる、などすれば解決できますが、それならいっそ、「1週間で35語覚える」としてしまった方がシンプルです。

この「1週間単語計画」については、別の記事を作成予定です。そちらもご覧ください。

 2、語源を理解せよ

これが古文単語攻略の要です。

単語をしっかり覚えることのできている人は、必ずと言っていいほどこれを意識して覚えています。

とくに意識してほしいのが「漢字に変換するとどんな漢字になるのか」です。

例えば、さきほどの「あらたし」ですが、漢字に直すと「新たし」ですし、他方「あたらし」は「惜し」です。これで一見ややこしい単語同士でも意味がはっきりする場合があります。

他にも・・

「いふかひなし」→「言う甲斐無し」→「言っても意味がない」→「無駄だ」

「そらごと」→「虚言」→「嘘」

などなど、漢字を推測できれば古文単語の意味がスッと頭に入っていきます。ぜひ、語源とセットで覚えていきましょう。

 3、同義語で攻めよ

英単語でも同義語学習が重要ですが、古文単語も同様です。「あ、この意味前にも出てきたな・・」と思ったら、単語帳に書き込んでいきます。

ここでもいくつか覚えておきたい同義語を紹介します。

 ◯覚えておきたい同義語

現代語「うつくしい」・・・「きよらなり」「きよげなり」「うるはし」「うつくし」

現代語「突然に」・・・「とみなり」「ゆくりなし」

現代語「死ぬ」・・・「うす」「みまかる」「はかなくなる」

現代語「我慢する」・・・「しのぶ」「ねんず」

微妙なニュアンスの違いはありますが、とりあえずはイコールだと思っておいて問題ありません。他の単語とリンクさせて、思い出すための手がかりを増やしていきます。

 4、とにかく覚えよ

しかし、中には語源を知ってもイマイチ意味が分からない、同義語もあまりない、という単語もあります。「何回覚えても忘れる」という単語もあるでしょう。そういうとき、どうやって覚えるべきか。とっておきの方法がこれです。

理屈抜きでとにかく覚える。

反復回数を増やして叩き込みましょう。「これはこういうもの」と単純暗記します。

今となっては、「昔の勉強法だ」と敬遠されがちな単純暗記ですが、覚えるべき数を絞れば、けっこう効果的だったりします。

僕は、次の単語は単純暗記しました。

「あさまし」=「おどろきあきれる」

「あはれなり」=「しみじみと感慨深い」

「あいなし」=「つまらない」

特に「あさまし」=「おどろきあきれる」はかなり良く使います。この場で覚えてしまいましょう。

語呂で古文単語を覚える参考書などもあるので、語源からアプローチできないものは、いろんな方法を試してみてください。

オススメの単語帳は?

最後にオススメの古文単語帳を紹介しておきます。もう古文単語に関しては、今のところこれ一択だと思います。


・読んで見て覚える古文単語315(桐原書店)

学校での採用数もダントツだそうです。

◯オススメポイント

  •  品詞ごと、レベル別に単語がならんでいる
  •  単語の数が多すぎず少なすぎず
  •  文字の大きさ、1ページの情報量も適量
  •  慣用句・連語もカバー

他にもいろいろ単語帳を見ていますが、今のところこれを超えるものを見ていません。センター試験までなら、これ一冊で問題ありません。

国立2次試験で古文を使う人は、ちょっと物足りないかもしれません。

よりボリュームのある参考書としては、旺文社の「二刀流古文単語」Z会の「読み解き古文単語」がオススメです。

まとめ

今日のまとめです。

 <古文単語の覚え方>

  1.  1週間でノルマを回せ
  2.  語源を理解せよ
  3.  同義語で攻めろ
  4.  とにかく覚えよ

加えて、始めに説明した「とりあえず1語1意」を意識していけば、単語の暗記がやりやすくなっていくと思います。

古文は知識を増やしていけば確実に解けるようになっていきます。がんばりましょう!

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