本日は少し、僕自身の教育観について書きたいと思います。
先生と生徒の関係性は、通常「縦」の関係と言われます。
先生:教える側
↕︎
生徒:教わる側
という関係性であり、
先生は生徒を責任をもって啓蒙(教え導くこと)し、
生徒は先生に敬意を払い、その教えを受ける。
もちろん、年齢的な上下関係もここには含まれているでしょう。
しかし、
この前提自体が何かおかしいんじゃないかと思います。
僕自身が教える立場になって思うのですが、
誰かに何かを教えてあげられるほど人格者でもないし、
人生の成功者というわけでもありません。
せいぜい、国語や英語といった教科についての知識があり、
それらを説明することがちょっと上手い程度です。
むしろ、僕が生徒たちと関わる中で学ぶことのほうが多いかもしれません。
このように考えると、
もはや先生と生徒というのは、「横」の関係であると言えます。
そして、僕はこのことをぜひ忘れないようにしたいと思っています。
対等な関係から生まれる尊敬
教育業界では、
生徒と先生は友達ではない。
とよく言われます。
これは生徒との距離感を間違えてしまって、
思わぬ事態へと発展することを防ぐという目的、
また、その一線を設けることで伝えるべきことを伝えることができる(ダメなものはダメときちんと教えることができる)
といった目的があります。
それに対しては僕も全く同意しています。
しかし、僕は
生徒と先生は友達であっていい
と今では思っています。
その「友達」の定義は、
何も、生徒同士でわちゃわちゃとじゃれあうようなものだけを指しているわけではありません。
第一に、友達とは
お互いを尊敬し合える存在
であると思います。
そして、お互いに相手のことを知りたい、相手の成長、成功を願うことができる関係
であり、
年齢とか立場とか
関係ないと最近ようやくわかってきました。
余談ですが、
僕が大学時代働いていた居酒屋の店長や塾の先輩の先生(僕より20歳くらい年上)には大変お世話になりましたが、
あれは友人としての関係だったのだなと思います。
したがって、僕は
生徒と先生も友人として
「横」の関係を築くことができると思っていますし、
そうしたいと思っています。
なぜなら、縦の関係には自然と「上下」が生まれてしまうのですが、
横の関係には「対等」な発想があるからです。
私は、この「対等」という考え方はとても大切だと思っています。
それは先ほども述べたように「尊敬」の関係性だからです。
評価ではなく、承認のために
上下の関係は
先生から生徒へのフィードバックが
叱るかほめるか
というものになりがちです。
以前、どこかの記事で言及しましたが、
ほめることというのは諸刃の剣です。
ほめるというのは、
・上の立場の人から下の立場の人に対する
・よいとされる行動についての
「評価」です。
つまり、
その人は何か良いことをしたから褒められたのであって、
悪いことをしたら反対に怒られる。
そして、
良い、悪いの価値観は上の立場の人が一方的に所持しているものです。
褒められることは確かにうれしいですが、
下の立場の人は、だんだんと褒められるために何かをするようになっていきます。
そして、失敗を恐れるようになります。
なぜなら、褒めるというのは評価だからです。
もちろん、褒めている側にはそこまでの思惑や意識はない場合が多いのですが、
結果として相手をコントロールしてしまっているのです。
反対に、「横」の関係にあるのは何でしょうか?
それは
承認
です。
「横」の関係は対等であるため、
何らかの良い悪いの評価を一方的に行うのではなく、
相手のことをそのまま受け止めます。
これは褒めることとは異なります。
たとえ相手が自分の望み通りの行動をしなかったとしても、
その相手の決定を受け止めます。
不機嫌になったり、怒ったりして、
相手の行動を自分の望むように変えさせたりしません。
これは一人の尊重すべき人間として相手と接するということです。
褒めるのではなく、認める。
良い面も悪い面もすべてを含めて、その人を認める。
この関係性こそが「横」の関係性であり、
僕が目指しているところです。
当然ながら、
これを単に言うことと行うことには
大きな違いがあります。
実践することは簡単ではありません。
しかし、生徒と「横」の関係であろうと努力することは
今こそ非常に大切であると思っています。
そして、僕はこれが
大学受験、ひいては今後の人生における真の切札であると確信しています。
「横」の関係性が自信を生む
「横」の関係性が生みだすもの。
それは
自分はありのままで存在していてもいいんだ
という根源的な自己肯定感です。
なぜなら、それは良いことをした時にのみ得られる評価ではなく、
ありのままの自分を受け入れてくれるという承認だからです。
失敗することもあるけど、
でも、それはそれで自分だし、
まあ大丈夫だ。
このように思えると、
人は勝手に成長していきます。
自分の力で生きていくことができるようになります。
「縦」の関係で居続けると、
常に他人からの評価=自己評価となり、
自分のことを褒めてくれる人に依存したり、
失敗できないというプレッシャーに押しつぶされていきます。
そういう意味でも、
僕はオンラインチューター(家庭教師)という仕事を通して、
「横」の関係で生徒と向き合っていきたいと思っています。