前回は、現代文の勉強法の前半ということで、主にどんな知識が必要かをお話ししました。
今日はその続き。現代文に必要な思考訓練の方法を解説します。
では、早速進めていきましょう!
現代文ができるとは?
まず、現代文ができる、とはどのような状況を言うのでしょうか?
僕は、現代文ができる、とは
- 文章の内容がわかる
- 設問の答え方がわかる
の二つの段階をクリアしている状況を指すと考えています。
文章の内容がわかる
実は、これは知識でカバーできます。
語彙を増やし、現代文の背景知識(思想史の流れ)を理解していれば、筆者の言っていることがだいたい理解できるようになっています。
また、ある程度現代文の文章を読んでいくうちに、文章の構造についても気がつくようになっていきます。
文章がどんな構造で書かれているのかを知ることができれば、たとえ細かい部分が理解できなかったとしても、どのような内容が書かれている(書かれているべき)か推測できます。
これは内容の理解を大きくサポートします。
設問の答え方が分かる
もう一つ大切なのが、一つ一つの設問に対してどのように答えるべきかを理解していることです。
「内容はわかったのに、正解しない。」
「書いてあることはわかったが、どう書いたらいいかわからない。」
このような悩みは、設問の答え方、アプローチの方法を知ることで解決します。
そして、この「設問にどう答えていくか」を練習するのが、今日説明する「思考訓練」の段階です。
思考分野1:設問へのアプローチを学ぶ
まずは、現代文で出題される問題のパターンと、その対処法を学びます。
おすすめはこれです。
・船口のゼロから読み解く最強の現代文 (大学受験Nシリーズ)
現代文の王道パターンとその解き方をわかりやすく説明してくれています。
現代文が苦手な人もある程度できる人も、まずはここから始めましょう。現代文に対する印象が大きく変わります。
テキストを進めるときは、答えがあっているかどうかではなく答えへのアプローチの仕方があっていたかどうかを確認しよう。
思考分野2:覚えた解き方をくり返し練習する
先ほどのテキストで学んだことを、今度は実戦で使ってみましょう。
ここでは、解き方が詳しく載っている参考書タイプではなく、問題集タイプのものをお勧めします。
あれもこれも言われてしまうと結局どう解いていいか分からなくなってしまうからです。
また、いきなり記述問題は厳しいので、マーク式をおすすめします。
・マーク式基礎問題集現代文 (河合塾シリーズ)
センター試験よりも易しいです。まずはこれで経験を積みましょう!
思考分野3:記述問題の対策をする
先ほどのステップを終了すれば、もうなんとなく現代文を解く、という状況は卒業できているはずです。
ここからは本格的に記述回答の作成方法を学び、トレーニングします。
おすすめはこのテキストです。
・上級現代文 1(桐原書店)
とにかく記述回答の方針が分かりやすい。
また、記述問題の練習は、自己採点が難しいのですが、このテキストは採点基準を細かく設定しているので、独学にもうってつけです。
そして、なんといっても全国の国立大入試問題の中から厳選された問題で演習することができるというのが魅力。
この一冊をじっくりやりこむことで相当の記述力UPが見込めます。
このテキストを終えたならば、いよいよ各自治体の過去問に入っていきましょう!
番外編:現代文を極めたい人へ
「上級現代文1」をやり遂げていれば、すでに現代文に不安はない状態になっていると思います。
ここからは、現代文を極めたい、あるいは難関私立高校の採用試験を目指す人に向けて参考書を紹介します。
・記述編 現代文のトレーニング[改訂版] (Z会)
まずは、このテキスト。とにかく、素材が難解です。
本当にこれを解ける高校生がいるのか、というくらいに難しい。
しかし、(Z会のどのテキストにも言えることですが)解説やコラムが非常に優れています。
正直言って、これを読むだけでも、元をとれます。
もう一冊はこちら。
・東大の現代文27カ年(難関校過去問シリーズ) (教学社)
教学社が出している赤本シリーズの一つです。
東大の現代文はシンプルで、かつ要点を抑えた記述回答を要求されます。
文章の要約問題があるのも特徴的です。
まとめ 現代文が安定すれば大きな自信に
ここで前回の内容と合わせてまとめておきましょう。
- 現代文は知識と思考訓練が大切
- 身につけるべき知識は、1)漢字・語彙、2)現代文単語、3)背景知識
- 思考訓練は、1)解き方を覚えて、2)くり返し演習!
多くの人にとっては、なんとなくで終わってしまう現代文。
この「よくわからない科目」を「得意科目」にできれば、大きな自信になります。
いわゆる暗記科目と異なり、力がつくまでにある程度の時間がかかりますが、一度身についてしまえば堅実に得点していける科目です。
ぜひ現代文を得点源にして、教採を突破していきましょう!