今年度、初の実施となる「大学入学共通テスト」。
英語ではTOEFLやGTECなど外部試験の活用で話題になりましたが、結果的に外部試験の導入は見送りとなり、従来通り全問マーク形式での出題が決定しました。
ゆえに、今年度はこれまでのセンター試験とほぼ変わらないのですが、一点だけ変更点があります。
それが、配点の変更です。
下の図は、大学入試センターの公式サイトに掲載されている
「令和 3 年度大学入学者選抜に係る 大学入学共通テスト実施要項 」
からの抜粋です。
英語の受験概要に
筆記・・100点
リスニング・・100点
と記載されています。
あれ、リスニング100点?
そうなんです。
今年の共通テストは筆記とリスニングの配点が1:1になっているのです。
これまでは筆記200点、リスニング50点、つまり点数比4:1だったので、これまでと比べるとリスニングの比重がかなり大きくなっていることがわかります。
もちろん各大学が共通テストの点数をどう利用するかによって、この比率は変わってしまいますが、リスニングがこれまで以上に重要になっていることは確かです。
(例えば「筆記の点数を2倍する」など、得点に傾斜をかけることがあり得ます。)
そこで、今日はこれまではあまり目を向けて来なかったであろう「リスニングの対策」について話していきたいと思います。
語彙力(単語)は大前提
リスニング対策とはいえ、まずは単語をきちんと知っていることが大前提です。
単語を知らなければ、聞き取れても内容を理解することはできないですね。
単語を覚えるときに、アクセントや発音も確認するようにしましょう。
単語帳にCDやアプリが付属しているものもありますし、持っている電子辞書を使ってもいいですね。
どっちもないという人も、グーグル検索すれば発音が出て来ます。
ちょっと面倒かもしれませんが、発音と一緒に覚えたほうが単語の意味も覚えやすくなります。
「急がば回れ」だと思ってがんばっていきましょう^^
文法も大事
意外?と重要なのがこの文法の知識です。
僕たちは英語を一字一句正確に聞き取れるわけではありません。
これは早さに耳が慣れていないせいもありますが、続く単語などの関係でほとんど発音されない単語があるからです。
きちんと発音されていないのにもちろん聞き取れるはずもありません。
だからこそ、文法が役に立ちます。
単語として聞こえてきてはいないけど、文法的にはここにこの単語(こういう品詞or意味の単語)が来ていないとおかしいぞ、と気がつくことができるのです。
聞き取れた部分が断片的なパズルのピース(絵)だとすると、文法はパズルそのものの形です。
パズルを揃える時は、絵とピースの形の両方を参考にするのと似ていますね。
発音記号を知っておこう
僕の高校時代の経験ですが、発音記号の読み方やそれぞれの単語がどのように発音されるかって、あまりしっかりと教えてもらった記憶がありません。
しかし、明らかに発音の仕方は知っておいたほうがいいです。
例えば、英語は「A」の音だけで4種類存在します。
これを全部判別するというのは難しくても、その区別を知っておくことは大切です。
そして、区別があるということを知っているだけで発音の仕方が違って聞こえて来ます。
YouTubeなどで発音について分かりやすく紹介している方がたくさんいらっしゃいます。一度ご覧になってみてください。
オススメトレーニング法
さて、ここからは具体的にリスニングの力を鍛えるためのトレーニング方法を紹介していきます。
1、長文を前から理解する練習をする
次の例文を見てください。
I run around the park every morning.
私は毎朝、公園の周りを走っている。
主語は別として、英→日へ訳す際、「うしろから前」へと訳していったことにお気づきでしょうか。
このように、英語と日本語では伝える情報の順番が逆転しています。
なので英文を和訳するときは、英文を後ろから訳して言ったほうが日本語として自然な訳になるのでそれでいいのですが、リスニングのときは英文を前から理解していかなければなりません。
・まず、誰が何をしたのかを捉え
・それから、場所や日にち、曜日などの詳細を聞き取る
こういった手順で文を理解していくことになります。
ではどんなトレーニングをすればいいのでしょうか?
それは、普段の長文読解(リーディング)で、英文を前から理解していくようにします。
I think that he is right.
という文だったら、私は思った→彼が正しい。という感じで、部分に区切りながら前から前から理解していきます。
この読み方に慣れていくと長文を読むスピードも上がります。最初はやりにくく感じるかもしれませんが、オススメの読み方です。
2、音読して英語のリズムをつかむ
「音読か〜」と思ったそこの君。音読をなめてはいけません。
言語にはそれぞれ独特のリズムみたいなものがあって、音読することでそのリズムを感覚的に身につけていくことができます。
かなり昔から伝わる勉強法ですが、今もなおその効果は絶大です。
はじめのうちは、お手本があるものを音読しましょう。そのお手本を真似して、外国人になり切るのがポイントです。
学校でもし教科書を音読する時間があるなら、それはリスニング対策の絶好のチャンスです。
恥ずかしいかもしれませんが、その時間を有効に使って勉強していきましょう。
3、ディクテーション
ディクテーションというトレーニングをご存知でしょうか。
「聞き取れた文をそのまま文字に起こしていく」というもので、やってみるとなかなか難しいです。
センター試験の過去問など、CD音声とスクリプトが手に入るものを使います。
ちなみに僕は、(TOEFLの勉強としてですが)『英文解釈の技術100』という参考書のCD音声を使ってディクテーションの練習をしていました。
こちらにもう少し詳しいレビューを書いています。よろしければ参考にしてみてください。
以下、具体的なやり方です。
1、音声を聞いて、適当なところで止める。
2、聞き取れた単語、文を書いていく。
3、聞き取れない部分があった場合、何回でも聞き直してOK
4、音声を止めるのは1文単位でもいいし、1文が長い場合は、もっと小さい部分に分けてもOK(ただし、あまり細かく区切りすぎても練習にならないので、ちょっときついくらいを目安に)
5、もう何回聞いてもわからない・・というくらいになったら、答えを見る。
リスニングの問題を解くとき、英語に慣れていない私たちは
1、頭の中で聞こえてきた音声を英単語に変換する
2、その英単語や英文を理解する
3、問題の答えとなる部分かどうかを判断する
という作業を高速で行っています。
音声の話すスピードが早ければ早いほど、その処理速度は早くなければなりません。
聞こえてくる単語を認識して、理解する間にどんどんと次の音声が流れてきます。
それをさらに聞き取りつつ、先ほどまで聞き取っていた文を覚えていなければなりません。
そして、必要ならメモもとっていきます。
このような複数の作業を同時におこなうために、ディクテーションのトレーニングが大切なのです。
友達とゲーム感覚でやってみるのもいいですね。
ぜひ、一度お試しあれ^^
まとめ
それでは今日のまとめです。
・共通テストの英語は筆記:リスニング=1:1に。
・これまで以上にリスニング対策が重要
・単語や文法などの基礎を固めつつ、音読
今日は、リスニングの力をつけるためのトレーニング法を紹介しました。
これらに加えて、もちろんセンター試験の過去問を解くというのも有効な対策です。
特に、試験の直前期には、できる限り毎日過去問の音声を聞くようにして、耳を慣らしておきましょう。