東大や京大をはじめとした難関の国公立大学に合格するために、避けては通れないのが、英文の和訳問題です。
近年、英語では「読む」だけではなく「書く、話すや聞く」といった4技能の総合的な評価をするようにという傾向になりつつありますが、依然として英文和訳の問題は健在です。
大学に入ると海外のテクストや論文を読解する機会がたくさんあります。
大学側は、そのために当然必要となる「和訳」の土台ができてますか?ということを文字通り”テスト”しているわけです。
今日は、そんな難関大受験生に向けてオススメの英文解釈の参考書を紹介したいと思います。
- 難関国公立大志望の人
- 和訳でイマイチ点が取れない人
- だいたい単語は知っているのに、上手く訳ができないことがある人
- 早稲田や慶應など難関私大を受験する予定の人
ぜひ参考にしてみてください!
英文解釈の技術100(桐原書店)
初めて英文解釈を学ぶならこの一冊!
まず紹介したいのが桐原書店から出ている「英文解釈の技術100」です。
この本は、入門、基礎、無印と3種類シリーズが存在しており、幅広い学力の受験生に対応しています。
※最近「超入門」という新しいシリーズが出ました。こちらは中学生(とりわけ中高一貫校の中学生)にオススメの一冊となっています。
難関大の受験生にとっては「無印(=英文解釈の技術100)」が対象となります。
特徴
この参考書の特徴は、1テーマで1つの解釈技術を扱い、例題、演習問題が用意されています。
つまり、100テーマで例題、演習問題の2つなので、合計200題の英文解釈のトレーニングをすることができます。
200問は大学の過去問題からの出題で、この一冊を通して入試で英文解釈の技術をどう活用するか学ぶことができます。
文解釈の内容としては、「SVを特定する」ための技術を中心に関係代名詞のさばき方、その他構文の解釈など幅広くカバーしています。
また、英文解釈の参考書としては珍しく例題の朗読CDがついているので、ディクテーションや音読といったリスニングのトレーニングにも使うことができます。
進めるペース
ハイペース→うさぎさんタイプ
コツコツペース→かめさんタイプ
として紹介します。
※どちらが良いということはありません。自分に合ったペース、受験までの残り日数などを考慮して選んでください。
うさぎさんペース・・1日3題 34日完成
かめさんペース・・1日1題 100日完成
このように書くと「うさぎさんペース」の方が早く終わるしいいのでは、と思うかもしれませんが、「1日3題」というのはけっこうきついです。(演習問題も合わせると1日6題)
また、終わらせることだけを考えて参考書を進めても、きちんと身につかないために効果が薄くなってしまいます。
他の教科の勉強時間なども計算しつつ、適切なペースを選択していきましょう。
英文標準問題精講(旺文社)
英文解釈の大定番。厳選された名文から教養をも得られる
次に紹介するのは旺文社の「英文標準問題精講」です。
英文解釈の参考書を挙げれば必ず5本の指に入るであろう伝統の一冊です。学校の先生でこれをオススメされる方も多いのではないかと思います。
特徴
「標準問題精講」の長所はなんと言っても「選び抜かれた良文」です。
スウィフトやシュバイツァー、ルイスキャロルなど英語圏の偉人たちの名文が取り上げられており、英文解釈を行いつつ教養を身につけることができる一石二鳥の参考書になっています。
ためになるだけではなく、内容も興味深いので読み進める楽しみもあります。
また、文構造を図式化したものが解説に載せられており、どれが文の主要素なのか、この部分はどこを修飾しているのかなどが分かりやすく示されています。
倒置や強調、譲歩など構造の読み取りにくいものや訳出の難しいものが取り上げられているので、難関大受験生にとってはうってつけの一冊です。ただし、基本的な文法については説明がないので、ある程度文法の土台ができていることが前提となります。
進めるペース
うさぎさんペース・・・2ヶ月
かめさんペース・・・4ヶ月
参考書には前期10日、中期10日、後期10日と全部で30日(1ヶ月)で終わると書かれているのですが、正直このペースは無理です。笑
今から始めるとしたら、終わるのは早くても2ヶ月後くらいだと考えておきましょう。
マスター英文解釈(聖文新社)
圧倒的網羅率。英文解釈版”チャート”
最後は「マスター英文解釈」という一冊です。「マスター」というタイトルからも分かるようにこの一冊をやり遂げることができれば英文解釈で不安はないでしょう。
ただし、その量はまさに圧倒的です。
数学の網羅型参考書として数研出版の「チャート式」がありますが、あれの英文解釈バージョンとでも言うべき存在です。
大きな書店じゃないと置いておらず、また知名度も低いですが、有名進学校などでも採用されている一冊です。個人的には、もっと評価されてもいいのになーと思う一冊です。
特徴
量が多いので、網羅的に英文解釈を学ぶことができます。普通なら「基本5文型」と1単元で終わらせてしまうところですが、「マスター英文解釈」は「第1文型」「第2文型」と一個ずつやっていきます。
(しかも、第4や第5文型は2課以上にわたって問題が用意されています・・)
見開き1ページで1課、左側が例文と解説、右側が練習問題という形になっています。
練習問題はA、B、Cの3つのレベルに分かれており、Aで基本事項を確認、Bで応用、Cで入試問題にチャレンジといった感じで進めることができます。
難しい単語に関しては右下に語注が載っているので、それを参考にしていきましょう。
目次は、基本的には文法事項の順番に並んでいますが、後半では”of”や”by”など「その単語をどう訳すか」といった単語別で対策を講じることができるようになっています。
だいたいのパターンは載っているので、学校の課題などで分からない問題があったら「マスター英文解釈で調べる」といったことも可能です。(恐るべしマスター英文解釈・・)
進めるペース
うさぎさんペース・・4〜5ヶ月
かめさんペース・・1年
これは全てをやり切ろうとした場合の目安です。
参考書のペースに1年と書かれているのはあまり見かけませんね。笑
それだけ高い網羅性を持っているということがお分かりいただけると思います。
しかし、実際問題、もう受験までそんなに時間が残されていない・・という方もいると思います。
そんな方は、はじめからローラーしていくのではなく、必要な部分だけをピックアップしてやっていくのがオススメです。
ほとんどの英文解釈のパターンを網羅しているので、自分の気になる部分をやっていくだけでもしっかり実力をつけていくことができます。
復習を忘れずに!
どの参考書を使っても大切なのは、「復習を入れる」ということです。
今日紹介した3冊はどれを取っても最高難易度のものなので、一度やっただけではそのエッセンスを十分に得ることは難しいでしょう。
1回目にやっていて、「これ、ちょっと難しいな・・」と思ったものは印をつけておいて、2周目にまたチャレンジしましょう。
復習を前提としているため、1回目で「考えたけどよく分からなかった」という問題は飛ばして先へ進んでもOKです。
不思議なもので、初めて見たときに全く歯が立たなかった問題でも、時間を空けてもう一度やってみると案外スッと理解できたりします。
分からず考え込んで何十分と使ってしまうよりは、いったん次に進んで、他の問題をクリアしてから再挑戦!の方が勉強時間を有効に使えるかな、と思います^^
まとめ
どれも一筋縄にはいかない参考書ばかりですが、一冊やり遂げることで、きっと英語に対する意識がガラッと変わるはずです。
なんと言っても大切なのは毎日の積み重ねです。
「うさぎさんペース」「かめさんペース」どちらのペースで進めるとしても、日々同じペースで整然と歩みを続けていきましょう!