少子化が進んでいるとはいえ、依然として人気の大学は競争率が高く、なるべく早いうちに大学受験に向けて対策を始めなければ、と考えている人も多いと思います。
実際のところ、いつから本格的に大学受験の勉強を始めればよいのでしょうか?
今日は、このあたりのことを書きたいと思います。
この記事は医学部などの最難関大学を目指す人にとっては、あまり参考にできないかもしれません。あらかじめご了承ください。
進学校なら高3からで十分間に合います
結論からいきます。
進学校に通っているなら、高3からでOK。
進学校以外なら、高2の夏から。
個人的にこれがベストだと思います。
「え、高3からで間に合うの?」と思った方。どうぞ続きをお読みください。理由を説明していきます。
モチベーションが続くのは長くて1年
統計をとったわけではないので、絶対そうだとは言えませんが、受験勉強のモチベーションが続くのは長くても1年です。特に、同じ季節を2回迎えると、どうしてもマンネリ感を感じてしまいます。
早く始めるに越したことなはい、と思われるかもしれませんが。そうとも言い切れません。
僕が塾で教えていた時に本当によくあったパターンを紹介します。
大学受験を見据えて、高校入学時、あるいは高1から入塾。
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入塾してしばらくは成績向上、模試の判定も良いが、そのうちに横ばいに。
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ルーティーンのように塾に通い、モチベーションもイマイチ
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高2は部活動も忙しくなるため、塾で入試対策ではなく学校課題のフォローが始まる。
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高3になり、そろそろヤバイと思い始めるが、部活の最後の大会までは部活に集中したい。
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高3夏。ようやく勉強スタート
これ、本当に多いです。
結局、高3の夏に勉強を再スタートしてみると、高1高2でやったことが忘却の彼方。この時期になって、英文法の一番最初「基本5文型」とかからやり直さないといけないことも度々です。
どうしてこうなってしまうのでしょうか?
これは「数年をかけて目標を達成する」という長期計画に慣れていないためです。大人でも、数年プランで目標に向けて物事を進めていくのってけっこう難しいです。大人でさえ難しいのに、高校生にとってはなおさら困難でしょう。
早くから始めると、早すぎるが故に危機感がなく、イマイチ勉強に身が入りません。しかし、いざ高3になると「私は早くから始めているから貯金がある」と思い込み、早く始めたことがむしろ足を引っ張ることにもなったりもします。
受験勉強のスイッチを入れるのが早すぎると、失速してしまいます。
それならいっそ「高3の一年に集中する」と割り切った方がいいと僕は考えています。
もし、現在高3生で、「やば、上のパターンにあてはまっている・・・」と感じた方は、これまでの勉強に一旦区切りをつけて、「今日からの一年間が勝負」だと考えてください。
気持ちを切り替えましょう。まだ間に合いますよ!
大学受験の性質上、短期決戦が向いている
もう一つ、高3からのスタートをオススメする理由は、大学受験が短期決戦に向いているからです。
受験で必要とされる知識の多くは、暗記事項です。ゆえに受験直前の1年間で集中的に知識量を増やします。これは単に丸暗記することを勧めているわけではなく、しっかり理解に基づいた暗記も行います。
重要なのは、「この1年間でしっかり覚え切る」という意識です。
先ほどのモチベーションの話ともつながりますが、1年間だけ、という期限が集中力を高め、密度の濃い勉強を生み出します。
また、ある程度、伸びるのに時間がかかるとされている思考系の教科も、1年あれば十分に力を伸ばすことができます。
イメージとしては、「細く長く」ではなく「短く太く」。
これが「勉強は高3からでいい」という発想の神髄です。
ただし、性格的にコツコツ毎日少しずつやっていくのが好きという人もきっといると思います。(実は、大学受験では理想のタイプです。)そういう方は、高2の夏からスタートすることを考えてみましょう。そこから積み上げていけば、十分に間に合います。
高1、高2では何をすればいい?
受験勉強を高3からスタートするとして、高1高2はどういったことに気をつければいいのでしょうか。
ポイントは3つです。
1、小テストの勉強を確実に
2、学校課題を確実に
3、学校を楽しむ
当たり前すぎてごめんなさい・・・しかし、本当にやることはこれだけです。
高1、高2でやるべき3ポイント
1、小テストの勉強を確実に
学校で、英単語テストや古文単語テストなど、種々の小テストがあると思います。それをしっかりやってください。大抵の高校では、高2終了までに、単語帳を2〜3周は終えることができていると思います。
2、学校課題を確実に
これは、授業の予習、週末課題などを含みます。学校の宿題をちゃんとやっていれば、それだけで受験勉強になります。
3、学校を楽しむ
これも大切です。勉強するためだけに学校に行っているわけではないと思います。部活に打ち込むのもいいですし、自分の趣味に打ち込むのもいいでしょう。学校行事を友達と楽しむのもいいですね。楽しみ方は人それぞれ。いずれにせよ、悔いのないように過ごしてください。
これらのことをやっていれば、高3になって、思い切ってスイッチを入れることができます。
模試はどうするの?
3つのポイントを見て、きっと思った人もいるはずです。
「模試の対策ってしないの?」と。
誤解を恐れず書きます。
模試の対策として特別何もする必要はありません。
1)小テスト、2)予習・課題、3)高校生活を楽しむ、それだけで大丈夫です。
進学校に通っているなら、これだけでも十分な学習量になっているはずです。特別何もしなくても、それらをきちんとやっていれば模試の結果にも反映されてきます。安心してください。
まとめ
本日のまとめです。
・受験の本格スタートは高3からがベスト(コツコツタイプ、進学校でない高校は高2の夏から)
・その代わり高3の1年間で徹底的に勉強するべし
・高1高2は、1)小テスト、2)予習・課題、3)高校生活を楽しむを意識
期間を短くして、集中的にやり込む。
そして、これもある意味では高校生活の思い出です。高校最後の1年を充実したものにしましょう!
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