ただ言葉遣いが丁寧になるだけだと思ってた。
だからこそ、第4章を使って、徹底的に敬語を勉強していくよ。
では、はじめましょう!
敬意を表す方法
現代語を例に考えてみようか。
◯次の文を敬語に直しなさい。
・先生が昼食を食べる。
(浪越先生には、あんま使ってないけど・・)
じゃ、この「食べる」を「お食べになる」以外の表現で敬語にできるかな?
このように敬語に直すには、1)動詞自体を変えてしまうか、2)動詞に敬語表現をつけるかの2通りのやり方があるよ。
メモしました!
<敬意を表すには>
・動詞自体を変える
Ex. 言う→のたまふ
・動詞に敬意表現をくっつける
Ex. 乗る→乗り給ふ
本動詞と補助動詞
それを古語で確認してみよう。
・言う→のたまふ
・乗る→乗り給ふ
「のたまふ」はそれだけで、「おっしゃる」と訳すことができて「動作と敬意」を一度に表すことができる。
でも、対して「給ふ」は「〜なさる」という敬意の意味しか持っていないんだ。なぜなら、動作は「乗る」がすでにあるからね。
このように「動作+敬意」の状態の敬語を本動詞、敬意のみの敬語を補助動詞と言うよ。
これは大事な用語だからしっかり覚えておこう。
これって「与える+敬意」だから、本動詞だよね。
だから「給ふ」は本動詞か補助動詞かを見分けていかなきゃダメなんだ。
ちょっと考えてみて。補助動詞は「動作がなく敬意だけ」の動詞だったよね。
ということは、動詞にくっついていれば、それは補助動詞と言えるんじゃないかな。
練習問題
問題:次の下線部の敬語は本動詞、補助動詞のどちらか
- (帝(みかど)が)かぐや姫の家に入り給うて、見給ふに、
- 「さらにまだ見ぬ骨のさまなり。」となむ人々申す。
- 久しく参らざりければ、
- 普賢菩薩象に乗りて見えたまふ。
まず1は、「給ふ」の前に「入り」と「見」という動詞があるね。
つまり、動作自体は、「入る」とか「見る」という意味なので、「給ふ」は敬意を表現するためにくっついているんだ。
さて、次は2だけど、「申す」の前には、「人々」と名詞が来ていて、動詞じゃない。
だから、この「申す」はそれだけで「動作+敬意」の意味をもっているはずだね。だから2は本動詞になるよ。
ということは、3は、「参る」の前が「久しく」で、これも動作じゃないから・・
「参る」は本動詞?
じゃあ4は?
なので、4の「たまふ」は補助動詞だね。
ここまでをまとめておこう。
※答え:1、4→補助動詞。2、3→本動詞
<本動詞と補助動詞>
◯本動詞
動作+敬意を表現
Ex. のたまふ、おぼす(「思う」の敬語)など
◯補助動詞
敬意のみを表現
Ex. たまふ(=〜なさる)、はべり(=〜です)など
◯見分け方
敬語の前が動詞→その敬語は補助動詞
それ以外→本動詞
- たまふ
- 奉る(たてまつる)
- 侍り(はべり)
- 仕る(つかうまつる)
などがあるよ。
まとめ
・敬語は文法問題だけではなく、文の主語や目的語など構造をつかむ上でも重要
・敬語には「動作+敬意」の本動詞と敬意のみを表す補助動詞がある
・補助動詞として使うことができる敬語は限られているので、覚えてしまおう
次はこちら→【尊敬・謙譲・丁寧】敬語の種類を紹介します!
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