大学受験

【個別指導型の授業とは?】僕の授業進行プランを公開します!

なぜだか、塾講師って塾の”先生”って呼ばれます。

いや、先生なんだから当たり前じゃないか、と思われるかもしれませんが・・

僕はこの「先生」と呼ばれることに対して、少々違和感を感じていました。

確かに、集団塾の講師であれば、学校の先生のように集団に対して授業をするのですが、個別指導塾の場合は、そういった授業とはだいぶ内容も質も違うように感じています。

単に集団、個別という人数の違いではなくて、やることがそもそも違うのです。

あまり個別指導って「先生っぽいこと」をしないんです。

今日は、個別指導の先生(あえて先生と書きます)は授業でどんなことをするのか、僕のやってきたことを紹介したいと思います。(一応、それなりに進学実績を上げることもできましたので、参考にはなるかなと思います。)

個別指導の講師は先生と言うよりもむしろ「コーチ」

結論としては、個別指導の講師の役割とは、先生というよりも「コーチ」だと思っています。

テニスとか、フィギュアスケートとか、専属のコーチがついていますね。

あそこまで大したものではないかもしれませんが、イメージは近いと思います。

個別指導の本質は、教授ではなくサポートです。

あまり解説しない

ゆえに、僕は授業であまり解説をしません。問題の解答・解説は参考書に書いてありますし、生徒各自で読めば済む話です。

これが集団指導ではこうはいきません。むしろこの解説の部分が重要です。いかに分かりやすく、面白く教えることができるか、そこに先生の力量が問われます。

しかし、個別指導で重要なのは解説の時間ではありません。では、授業では何をしているのでしょうか。一例として、僕の授業プランを公開します。

個別指導の授業進行(英語、1対2指導80分授業の場合)

〜個別指導の授業の流れ〜

  1.  休み時間 学校でのできごと、フリートーク
  2.  0分 あいさつ&今日やることの指示
  3.  10分 英単語テスト
  4.  20分 長文読解1
  5.  10分 長文の中で覚えるべき単語のピックアップ、パラフレーズの確認
  6.  20分 長文読解2
  7.  10分 文法のピックアップ
  8.  10分 学習相談、次週までの計画

内容によって、変わりますが、だいたいこんな感じです。

では、順番に見ていきましょう。

 1、学校でのできごと、フリートーク

指導者側からすれば、すでにこの時間から授業は始まっています。

生徒の気分がどうなのか、学校で何があったのか。何かいつもと変わったところはないか、などを話しながら観察します。

こちらの雰囲気は楽しく明るくを心がけます。

 2、あいさつ、今日やることの指示

よろしくお願いします。のあいさつをして、今日の授業で何をするのかを先に言っておきます。

学校の補修として塾を使っている生徒には、今日やりたいテキストがないかなどをここで聞き、希望のものを進めてもらいます。

はじめにやるべきことを言っておくことで、生徒は何をすればいいのかが分かりやすくなりますし、ゴールが見えているので、集中して学習できます。

 3、英単語テスト

これはプリントでやらせるのではなく、一緒にやります。

10分はかけすぎじゃないかと思うかもしれませんが、個人的にはそれくらいじっくりとやったほうがいいと思います。

先ほどのテニスの例で言えば、コーチと選手がラリーをするイメージでしょうか。

基本的には、宿題として決まっていた範囲を聞いていくのですが、不意に先々週の範囲のものや、最近模試で出た単語などを混ぜて聞きます。

これが生徒にはけっこう人気で、単語テストが盛り上がることで、メインの学習に入るための準備が整います。

 4、長文読解1(メイン)

今回は長文読解でしたが、ここで生徒個別にメインの教材をやってもらいます。

20分と書きましたが、これも目安です。現代文などじっくり考えて欲しいものは時間制限をつけない時もあります。

僕が働いていた個別指導塾は、1対2(先生一人で生徒二人を指導)のスタイルだったので、この時間を利用して、もう一人の生徒の単語テストや解答のチェックなどを行います。

 5、単語のピックアップ、パラフレーズの確認

主に解説の時間です。とはいえ、先ほども言ったように、参考書に書いてあることはあまり解説しません。

長文の場合は、本文に出ている、覚えておきたい単語を選んでどんな意味かを確認したり、文章のパラフレーズ(この部分を言い換えている部分はどこか)など文章の理解を確認したりします。

もちろん、参考書の解説でわからないところがあれば、その質問にも対応します。

 6、長文読解2(メイン2)

4の繰り返し。授業で参考書の進め方、解き方を覚えてもらい、それを自宅で再現するというイメージです。

 7、文法のピックアップ

メイン2の解説。長くなりすぎないように気をつけています。

 8、学習相談、次週までの計画

勉強はおしまい。最後の10分を使って、学習相談全般を行います。

  •  今日までの1週間の勉強でわからなかった問題を解説したり
  •  進路の相談に乗ったり
  •  勉強法についてアドバイスしたり

など柔軟に使います。

また、来週までにやっておくべきこと指示したり、当面の目標を確認したりもします。

個別指導には、勉強のペースメーカーの役割があると思っています。

週に1回や2回生徒と対面して、勉強が順調かどうかを確かめる。何か問題があれば、それにどう対処すればいいかを考える。そして、また次の授業までに、生徒は自分で勉強を進めていく。

まさに、生徒と二人三脚で進んでいくコーチの役割を果たすのが個別指導の先生です。

以上が、大まかな進行プランです。意外と、解説の時間が少ないと思いませんか。80分の授業時間で20分(もしくはそれ以下)。しかしその分、個別指導なので、英単語テストや学習相談など生徒と向き合う時間はしっかりと作るようにしています。

大学在学中から個別指導に携わって6年以上経ちましたが、いろいろ試してきた結果、これが個別指導としてのベストの形態だと思います。

個別指導にカリスマ性はいらない

したがって、人気予備校講師のような卓越したトークスキルや抜群のルックス、お笑い芸人のようなユーモアなど、いわゆる「カリスマ性」は個別指導の先生には不要です。集団塾でバリバリやっていた先生が、必ずしも個別でも指導力を発揮できるというわけではありません。

必要なのは、どんな状況でも生徒を支える辛抱強さや、生徒の不安や悩みを受け止められる包容力といった、はっきりとは見えない部分です。だからこそ、個別指導の先生って正直目立ちません。誰でもなれそうなんです。笑

ゆえに、先生の良し悪しが分かりにくいというのもまた事実。

自分にとってベストの先生に巡り合えるかは、ある意味運次第と言えるでしょう。

まとめ

  •  個別指導の先生は「コーチ」
  •  個別指導は学習のペースメーカーの役割がある
  •  個別の先生に求められるのは、辛抱強さ、包容力などの内面の部分

個別指導の一番のメリットは、あなただけの先生(コーチ)がつくところにあります。文字通り専属コーチです。

先生と生徒の相性がぴったりはまれば、学力は限りなく伸びていきます。

そして、もしかすると、先生はあなたの学校の先生よりも、友達よりも、あなたの良き理解者となるかもしれません。

僕もそうありたいですし、そうあれるようにこれからも励んでいきたいと思います^^

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